富士見町にある井戸尻考古館に行ってきました。

諸星大二郎という漫画家が1976年に描いた「暗黒神話(少年ジャンプに連載)」。作中の「タケミナカタ」のモチーフとなった土偶がここにあると知ったのは、2年前岡谷で開かれた諸星大二郎展でした。以来行きたいと思いながら2年、やっと行くことができました。

*興味のある方は、未来図通信第2号「諸星大二郎のファンです」をご覧ください。

茅野市尖石縄文考古館はもちろん見ています。何せ有名な国宝土偶2体あるところですから、展示も素晴らしいです。しかし失礼ながら井戸尻考古館については、正直「まーそんなに大したことはないでしょ」と思いながら中に入ってみると、どかーんと縄文世界が広がっています。すごいです。次から次へと土器、石器、土偶などなど並ぶ並ぶ。圧倒的です。

自分のこれまでの縄文に対するイメージは「素朴で、原始的で、でもなかなか魅力的」ぐらいのものだったのですが、そんなペラペラなイメージはぶっ飛びました。力強いです!エネルギーに満ちています。

石器の加工ぶり一つとっても「自分の手で改良してやるぜ」な熱意と技術がムンムンしています。土器や土偶の装飾ひとつひとつがもう、「宇宙を表現しました」ぐらいのパワーです。失礼ながら展示ケースの予算が限られているためか「ピン(1点物)」の展示が少なくて、横長の展示ケースにど~~~~んと並んでいる様は、もうね、JMDD48,000(縄文土器&土偶48,000体)てぐらいの迫力ですよ。

幸いなことに、学芸員の方がお客様2人を案内されていたので、途中から密着マークし横で聞き耳。挙句に会話の隙間に割って入り10分ほど私が学芸員さんを独占してしまったのでした。

諸星大二郎の土偶も「あーこちらですよ」と教えていただきました。

日本の縄文文化についてあれこれお話を伺うと「環太平洋」がキーワードのようです。日本固有というより東南アジアからさらに南まで、共通する神話の原型が見受けられるそうです。発掘についても熱く語っていただき「面白くてたまらないですね」と水を向けると、

「いやあ、事務仕事が忙しくて大変です。そればなければもっと研究できるんですけどね」

これにはADK大変深くうなづきました!私も同じです!

現代は便利の反面、本来自分が考えてやるべきこともいつしか「自動化」され、「便利とは、自分で考え体を動かさなくてもいいことなり」になってしまっていると思いました。縄文時代のほうがむしろ自分の頭脳、感性、体力をフルに使って人間が生き生きとしていたのではないかな。

縄文すごいぜ。でも、俺、縄文時代に生きていけるかなあ。

by ADK60