「道は人類がつくった最高の文化遺産である」ヘルマン・シュライバー

田中欣一先生主宰、令和6年度閑吟塾。昨日はその5回目。前半のテーマ「道元」の最終回でした。道元は「道ハ元ナリ」という意味だそうです。そこから冒頭に上記のことばが板書されていました。
「道」は当社にとっての核心テーマなので、強く響いてきました。

さっそくググってみると、「ヘルマン・シュライバー:道の文化史―一つの交響曲 (1962年)」がヒットしました。さらに、日本都市計画学会のホームページに興味深い解説が載っていたので、部分的ですが、転載させていただきます。

「古来、集落は自然発生的な道に沿って自然的に誕生し、道の交会する主要集落は成長して都市となった。古来、統一国家は、その首都を初めとして計画的な都市と街路を造った。統一的な権力が衰えれば道も都市も街路も衰亡し、歴史の中に埋もれていった。それは昔から何度も繰り返して行われて来たのである。(中略)本書の原題は「道の交響曲(Sinfonieder Strasse)」であり、内容も4楽章(章ではなく)に分けられている。第1楽章(アダージョ・モデラート)と第2楽章(アダージョ・マエストーゾ)は「道」のいわば考古学であり、第1楽章は、紀元前20世紀以来の欧州の琥珀の道、古代ペルシャの王の道、シルク・ロードなどが語られ、第2楽章は古代ギリシャと古代ローマの、道と都市と街路の盛衰が語られる。「だれが道路を発明したかは、だれにも言うことはできない。しかし道路網はローマ人の創造である。」と原著者は言う。第3楽章(インテルメッツォ・スケルツアンド)と第4楽章(フィナーレ・フリオーゾ)は「道」のいわば考現学であり、第3楽章においては、古代ローマ帝国の衰亡後の中世欧州が、「道」の面でも暗黒時代であったこと、近世に入って道の復活の兆しがあったが、近代に入って鉄道が誕生し、急速に普及したことが語られる。第4楽章はガソリン車の誕生から道の再生、高速自動車道路の出現、交通事故の多発までが語られている。(後略)」

日本の道に改めて目を向けると、東海道、東山道などの五畿七道、江戸時代の五街道、四国八十八か所霊場巡り、観音霊場巡りなどの巡礼の道、北廻り船、犀川通船などの海路、鉄道開通などなど、どの道も濃密な歴史とともに語りつくせぬ魅力と魔力がある。
それは特別な名のある道だけでなく、集落の路地裏だって同様だ。

道の魅力を多くの皆様に伝えるためにも、もっと自分で走ってみなきゃね。走ったら呑むよね。呑んだら泊まるよね。はあ、ますます忙しい。

あ、全部仕事ですから。。。

by ADK62