仕事柄(仕事柄ですぞ!)街道を歩く。街道を歩くと、一里塚があり、宿場がある。江戸時代初期にこうした街道の形式を定め整備したのが、大久保長安という家康の家臣。1町は60間(約109m)、1里は36町(約3.93km)という距離の標準も長安が定めたという。

大久保長安は猿楽師の家に生まれ、武田信玄に仕え、武田滅亡の後徳川家康に仕えた。尋常ならざる能吏であったらしく、大和代官、石見銀山検分役、佐渡金山接収役、甲斐奉行、石見奉行、美濃代官、関東代官頭、勘定奉行などなど、それらを兼務! 家康の信頼厚く、天下の総代官と呼ばれたらしい。

金銀山の開発・経営、海運・陸運・内陸舟運等の整備、藩運営、都市計画と建設、幕府の財務・経理、今の時代で言うならば諸大臣と県知事を一手に引き受けてぶん回すような、途轍もない仕事量。鉱山開発や物流から莫大な富を生み出し、江戸幕府創業を支えた大功労者。

のみならず、大酒を飲み、猿楽を舞い、側女は70人とも80人とも。管理地の巡視に回る時は遊女を引き連れ、大名行列もかくやの賑やかさだったという。

晩年は政敵本多正信の計略により(諸説あり)、役目柄私腹を肥やし伊達政宗と組んで幕府転覆を画策した希代の悪代官として、汚名を着せられてしまった。

「元祖悪代官 大久保長安 面白そうだな」と思い、本を読んでみましたが・・・

いやあ、スケールが大き過ぎます。桁違いです。
私もいつからか悪代官と呼ばれていますが、足元にも及びません。
元祖悪代官様 凄すぎて落ちも何もありません。中三いや降参。

参考文献 どちらも松本市図書館に蔵書あります。
江戸の金山奉行大久保長安の謎 著者:川上 隆志 発行:現代書館
信長の軍師外伝 家康の黄金 著者:岩室 忍 発行:祥伝社文庫

by ADK61.9