音楽の先達S氏より、「市民タイムスの『わたしの3枚』という、自分の押しのCD3枚紹介するコーナーに次の書き手として紹介したから何か書いてね」とご依頼がきて、さあ、何にしようかと思案しながら書いた原稿をこちらに掲載しますので、良かったらお読みください。
*市民タイムス掲載は2月26日

1 陽水Ⅱセンチメンタル 井上陽水

 60の手習いでギター弾き語りを始めて2年。高校時代に聞いていた井上陽水を、45年の時を経て今自分で弾き語っています。

 サッカー部の同期H君から借りてカセットテープに録音したこのアルバムに異様にハマり、テープが擦り切れるほど聞きました。う~ん、一体どこにひかれたんだろう? でも私が聞いていた陽水はなぜかこの1枚だけ。次のアルバム「氷の世界」は日本初のミリオンセラーとなったのですが、聞いていません。ほいほいレコード買うお金も無かったですしね。(当時はレコード買うならナカガワ!)

 45年ぶりに買ったCDで聞いてあらためて思うのは、この曲たちはきっと陽水の心象風景。陽水は音楽で絵を描く画家なんだ、と。その風景を自分でも描きたくてギターを手に歌っています。このアルバムは、まさに私の人生とともにある音楽です。

2 展覧会の絵 ムソルグスキー

 クラシック大好きな友人Y君に、「あれを聞け、これはいいぞ」と勧められても「う~ん、クラシックは今イチ好きになれんなあ」と敬遠していたのですが、図書館のCDコーナーをのぞいてふと出会ったのがこれ。ロックのEL&Pのカバー版は聞いたことがあるので、その原曲ならいいかもと聞いてみたらこれがまあ大当たり!ドラマチック!友人の展覧会に行って曲想を得たというストーリーにもひかれました。

「完璧に美しい」という訳でなく、聞きこむといろいろ突っ込みたくスキがあります。この曲はたくさんの人にカバーされているのですが、それはきっとこのスキが大きな魅力なんだと思うのです。おまけに結局自分では一度も演奏していないというオチまでついています。クラシックへの苦手意識を払しょくしてくれた記念すべき1枚です。

3 だから僕は音楽を辞めた ヨルシカ

 若い頃はテレビ、ラジオ、友人からの勧めなど、色んな経路で新しい音楽に触れる機会があったものですが、子育て真最中仕事大忙しな頃は、新しい音楽と出会うことも少なくなっていました。

 子どもが独立し、妻と2人の生活になってふと気づくと、妻がせっせと図書館に通って新しいCDを借りてくるではありませんか!最初は大して関心持ってなかったんですが、一緒に次々と聞くうちにガツンと来たのが「ヨルシカ」妙な名前のグループです。

 不思議な歌詞なのです。古典の名セリフ名言がさりげなく入っています。「こんな言葉ってアリ?」というような新鮮な言葉で満ちあふれています。その詞と曲を歌うボーカルのsuisがまた素敵です。

 ヨルシカを聞いて音楽の楽しさを思い出しました。弾き語っているのもそのおかげかな。

 No Music, No Life!