そんなこんなで自転車に乗るようになり、自転車レースの中でも「激坂」で有名なツールド美ヶ原に毎年参加するようになってしまいました。
そんな私の自転車ライフを横目で見ていたI君が「俺も乗る」と言い出し、さらにE君までも「これは面白そうだ」と乗り始め、畏友西村君を教祖に「西村自転車教団」を設立したのは、2010年だったかな。
毎年1回は教団夏合宿と称して、どこかへ車で集まって、飲んで泊まって、早朝から走って、昼には戻って風呂入ってご飯食べて解散。ま、同好の士が集まってやることは、どの趣味も同じですね。
でもそういうイベントを励みに普段練習するので悪いことではないし、あちこち出かけて走ると、景色、路面、車の多い少ない、食事や宿など色んな情報が入ってきます。私の場合こうした情報が仕事にそのまま反映されるので、一石二鳥、いや、全部が仕事! ADKは仕事一筋ですぞ!

2013年に第1回が開催されたツールド東北にみんなで応募したら(抽選だったのです!)なぜかADKだけが当選し、走ってきました。ホームステイを募集していたので申し込んだらここも何とか通過して、石巻駅近くのMさんのお宅に泊めていただけることになりました。お聞きすると東日本大震災で実際に被災されたお宅とか。「そんなお宅に遊びでお世話になるのは・・・」とやや気が引けていましたが、お宅に伺って開口一番「来てくれてありがとう!」と言われました。震災から2年たつとどんどん忘れられてしまうので、こうやって来てくれるだけでうれしい、とお聞きし、涙が出ました。
翌日スタートすると、道路脇のあちこちに建つ復興住宅から人が出ていて「頑張れ~」と応援してくれるではありませんか。遊びに来た自分たちを震災にあった人たちが応援してくれる、こんな光景にあうとは想像だにしていませんでした。確か翌年からこのイベントのキャッチコピーが「応援してたら、応援されてた」になったと思うのですが、まさに。
この日はツールド東北を走り終えてMさんにご挨拶して、石巻から仙台へ向かい、西村君と一杯。金華サバが最高にうまかった。この遠征も忘れることができません。
畏友西村君は2015年に病気でこの世を去ってしまいました。自転車も、仕事も、歴史探訪も、まさに私の教祖様でした。合掌。
By ADK62.9