畏友西村君の強烈なプッシュから、自転車に乗るようになったADKです。
鈴木雷太氏(当社取締役でもあります)と出会ったのもこの頃でした。現役選手を引退して、浅間温泉にBIKE RANCHを出店したころだったと思います。
自転車に乗り始めてびっくりしたこと。「上達する」こと。
自転車もスポーツなので、当然早い遅い、上手下手があるのですが、ママチャリしか乗ったことがないと、「上達」という言葉がハマるなんて思いもしませんでした。
上達を簡単に言いますと「登り坂が楽に早く登れるようになる」です。それも目に見えて。
始めは一番軽いギアにしてカメさんのようにのろのろと登っていたのが、ギアが徐々に重くなり、スピードも上がり、息も切れなくなってきます。「え~、俺上達してんじゃん!」自分にびっくりです。
自転車に乗る回数も増えて、回数が増えるとさらに上達する。どんどん楽しくなるサイクルに入ってしまいました。
走る距離もだんだん伸びてきます。そうなると何と言うか「冒険心」が出てくるんですね。
ある時「無理なら引き返せばいいから美ヶ原に行ってみよう」と思い立ち、えっちらおっちらと走り出しました。おやつも飲み物も持って自転車遠足です。そしたら何と、登ってしまったのです。
参考までに、我が家からの距離片道25km、標高差1300mです。


美ヶ原の台上まで登って達成感にひたっていると、そこで何と自転車雑誌の撮影しているK氏に遭遇。「え~、松島さん、MTBで登ってきたの~?」「はい、初めて登りました~」「そりゃすごいね!ところでウインドブレーカー持ってる?」「え?ウインドブレーカー?持ってないです」「そりゃだめだよ、そのまま下ったら凍死するよ。俺の貸してあげるから着てきな」「ありがとうございます」
そうです。滝汗かいて登るのはいいけど、下りは一気に体が冷えるのです。そんなことも知らずおやつと飲み物だけで登ってきた私を、神さまが助けてくれたようです。
一休みして下り始めてその言葉を実感しました。寒いなんてもんじゃない!これでウインドブレーカー無しは自殺行為です。助かった~! おかげで無事に下山できました。
この成功体験は、自分にとってものすごい財産になりました。それまでは「美ヶ原に自転車で登る?何が楽しんだろうね?」と、はっきり自分とは別の世界と思っていたことが、やってみたら楽しくて、ハマってしまった。こんな経験は人生初かもしれません。
それまで自分にとってのスポーツはサッカーだったので、自転車含め「走り系」のスポーツには縁がありませんでしたし、やりたいとも思わなかったです。それが、縁あって試してみたらこんな素晴らしい世界があるとは!
ここまで来たら「ツールド美ヶ原出るしかない!」と、2010年に初出場しました。スタート前は無茶苦茶緊張した~。「足切りになりませんように」と祈る気持ちで走り出したら、何とか完走!
下山してBIKE RANCHに寄って「雷太さん 2時間23分で完走したよ~」と報告したら、雷太さんが「え~松島さんすごいじゃん!!!」て、ほめてくれたのでした。その時のうれしさは、今でも鮮明に覚えています。翌年からはロードバイクで出たけど、この年が一番楽しかったなあ。
By ADK62.9